周布さん伝、文久元年11月4日の項。
・・周布さん、中村九郎兵衛に、江戸藩邸に残っている自分の荷物を整理して送ってくれるように、とお願いの手紙を出す。
周布さんの奥さんが、周布さんの衣服を「残らず」江戸にいる本人宛に送ったところ、その直後に周布さんは久坂と出奔騒ぎを起こしてそのまま帰国を命ぜられたので、衣類は江戸にあるのに、本人だけが入れ違いで田舎に帰ってきてしまったそうです。
予想だにしなかった事態に周布さんも「家内共大きに当惑」と、戸惑いのご様子。
今やわずかに残った1、2枚の褞袍で、
「風寒之凌候而已」
うっ、厳冬の折にどてら1枚!
周布さん、かわいそう!!(でも何故かこみ上げる半笑)
・・いやいや、人の不幸を笑っちゃあいかんわな。
・・・で、江戸に向かう中村さん宛に、ともかく衣服だけでも先に送り返してくれるよう、現地で指示を出してくれませんか、とお願いしてます。
凍える周布さんに、中村さん、どうかご厚情を!
・・ところでこのとき、久坂氏はどこで何してたのだろう。
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8月末に神保町にて購入を果たした、
周布公平監修『周布政之助傳』上下巻
を、開いたり開かなかったりしてます。
順番なんて委細かまってません。
読みたいとこを、読みたいときに読む。(なんて楽しい)
最近気になったトコ・・・。
「10月29日11月14日御認之御示書、只今夕7時にも可有之歟、外より罷帰候処、留主に到来仕居拝見仕候・・・」
文久元年11月20日付、桂小五郎→岩間金平宛書翰。
水戸藩士数名が、桂さんと周布さん宛てに2度、手紙を送ったもの
の、なぜか長州藩邸に届かなかったらしい。
一向に返事が来ないので不審に思った水戸藩士が、20日の朝に
問い合わせにきて、初めて手紙が届いてないことが発覚。
で・・その後いったん外出した桂さんが、夕刻帰ってくると、
なぜか留守中に問題の手紙が届いてた、という・・・。
なんかホラーな展開だなあ・・
なんで2週間も届かなかった手紙が、しかも2通とも同時に机の上に載ってるんだ。郵便事故じゃなさそうだし、スパイでもいるんか?
・・・と、思ったんですけど、もう一つ、「夕7時」っていうのも気になる。
てっきり「午後7時」だと勝手に思ってたけど、よく考えたら、西洋式「7時」なんて言い方、幕末にするのかしら。
で万一、これが「7つ時」の意味なら、午後4時か5時頃になるらしい。
う~ん、どっちだ!
はじめて知った衝撃の事実。
村田次郎三郎は大津唯雪だった。
きっと大概の長州ファンの方にとっては周知の事実なのでしょうが、
恥ずかしながら、私は今のいままでちっとも知りませんでした。
あー驚いた。
さらにお邪魔したサイト様の情報によると、
大津さんは、村田清風の息子であり同時に、
山田亦介や河北一とも親戚関係、であるとか。
ま、まじでか!
山田さんと河北さんなんて、伯父甥の関係らしい。
そうか、文久2年に山田さんと村田さんが、連れ立って萩を出奔したのも、親戚関係であることを考慮に入れると、なんら不思議はないなあ。
嘉永6年11月28日付、周布政之助→村田清風書翰。
この年の9月12日に、周布さんが祐筆役に昇進したことを聞きつけた村田清風氏から、昇進祝いを兼ねたお説教の手紙を頂いたので、御礼のお返事した手紙の一節。
「然処左右観望之者と御目し被下候は、いかにも口惜き事に御座候、成程鈍才浅学故、機会を失候儀は、毎々有之残念至極に候得ども、心事においては、
寸志元是学群雄 生死豈兼草木同
願抑壮年軽鋭気 至誠尽処棄斯身
願抑壮年軽鋭気 至誠尽処棄斯身
如此御座候、尤いまだ御見棄を無之哉、御悠寛之節、淵底之御心事、御咄可被成下に付、篤と案置候様との御事、感謝紙上に難述候、・・・」(出典:周布公平監修「周布政之助傳」東京大学出版会、1977年)
村田さんに「お前はいつも意見がふらふらしちょる」とでも言われたらしい。
でも、そこはきちんと、「いや、志は決してふらふらしちょりません!」と意地を見せてる周布さんが、なんかすごく可愛いと思ってしまった。
つか、周布さんて、いい人だなあ。
手紙に人柄が滲み出てます。
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かゆ
自己紹介:
某WJ雑誌で掲載中の幕末パラレルギャグ漫画にて、黒髪長髪和服の人に転倒し、すっかり深みから抜けられなくなったオタク。そして深沼の底にて木戸さんに出会う。「醒めた炎」はバイブル。あの本で同時に村松氏のファンにもなりました。今は一刻も早く読了したい。
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