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設置者の設置者による設置者のための個人ブログ。日々の徒然&木戸公愛。
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蘆花の『小説 不如帰』を読了しました。
以前から気になってたので、読み終わってほっとしました。
古本店舗で、必ず目に入るんですよね、この小説。蘇峰本を探しているとき、「・・と・・とくとみ・・・ありゃ惜しい、徳富蘆花?」というのが、蘆花との最初の出会いでした。蘆花自身に知られたら殴られそうな話ですが。



登場人物が可愛かったです。片岡中将とか、浪子さんとか、武男君とか、いいなあ、あんな善人が近くにいたら助かるぞ!って感じ。ツンデレな川島未亡人の描き方も可愛い。
蘆花という人は、いつも他人に嫉妬心を抱きつつも、心底他人を憎み切れずに惑う人なんじゃないかと思います。どんなに憎憎しく思う相手にも、人間らしい弱さがある筈だと信じて、そこに同情してしまうタイプ。あるいはそれは、弱い人間こそ持てる優しさなのかも知れませんが。


ところで主人公・浪子嬢のモデルは、本当かどうか知りませんが噂では、大山巌氏の長女・信子嬢だそうです。しかし、もし蘆花が聞きつけたとおりに、彼女が「もう女になぞ生まれてきはしまい」と言って亡くなったのだとしても、彼女が経験した現実は、小説とは似ても似つかなかっただろうと思います。蘆花の描く浪子は男を命がけで愛し愛され続けたのに、何故今わの際に自らの性を否定する必要があるのか、とても疑問です。

女だという理由だけで酷い扱いを受けなければならなかった現実が、あの時代にはたくさんあったはずだというのは、私も知識としては知っているけれど、豊かで先人の恩恵に溢れた時代に生きる自分には、わかるよ、なんて言う資格なんてそもそも無いんでしょうね。
もし生まれ変わるとしたら、もう一度女に生まれたいと答える女性が、若い世代で4割を超えるようになったそうですが、そんな時代に生まれることができて、心底ありがたいことだと思います。


ところで小説に出てきた「人情先生」って、あれ諭吉ですよね。。。?
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かゆ
自己紹介:
某WJ雑誌で掲載中の幕末パラレルギャグ漫画にて、黒髪長髪和服の人に転倒し、すっかり深みから抜けられなくなったオタク。そして深沼の底にて木戸さんに出会う。「醒めた炎」はバイブル。あの本で同時に村松氏のファンにもなりました。今は一刻も早く読了したい。
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