中央区郷土天文館で開催中の「甦る文明開化~日本橋・銀座・築地」展に行ってきました。
結論から言うと、眠たい目をこすりつつ(いや昼起きなんですが)、出向いたかいがありました!入場料無料(!)でこれは断然おトクです。おススメです。時間がある方はぜひ!
特に明治10年前後の、明治東京の古写真や版画を大量に見られたのは、嬉しい驚きでした。日本橋や両国橋、明治5年消失の築地ホテル館からの遠景写真など、垂涎モノの写真がワラワラあります。
他に、明治元年の東京行幸を描いた「大礼行列之図」や、明治14年開設の開拓使物産売捌所(コンドル設計、後に日本銀行に貸与)、築地の外国人居留地などの詳細資料なども興味深かったです。というか、公立の展覧会で、このクオリティはすごい!手を抜こうと思えば、いくらでも抜けてしまえそうなのに。。。う~ん。。。
究めつけに頂いたのがこちら。↓
係りの方が、わざわざお声をかけて手渡してくださいました。チラシじゃなくて、カタログです。ええっ、これ、タダで貰っていいんですか?!
・・分かりにくい写真ですが、家が飛び出しています。びよ~ん。
カタログの最後にくっついてました。
開拓使物産売捌所の模型だそうです。。。
帰りがけに、慶応義塾発祥の地なる石碑を発見。というか、地図看板を見たら、あのあたりは史跡だらけらしく、桂川周甫宅や海軍所跡や酒井抱一の墓や芥川龍之介生誕の地やら、いろいろあったみたいです。う~ん、いつかじっくり廻りたいなあ。。
本日はもうひとつ、個人的に本日のメインイベントと目していた講演会、「木戸孝允と文明開化」も拝聴しました。正直遅刻するかと思ったけど(おい)、なんとか間に合いました。ほっ。
講演者は中大教授のM先生。私は浅学にして、「幕末維新の個性」シリーズの一冊しか読んだことないんですが、ご専門は確か廃藩置県だったかと記憶しております。ただ今回はそのお話はなく、木戸孝允の開化に対する目線は、時代を追うにつれ変化が見られる、というようなお話でした。講演後、質疑応答の時間もなごやかに進み、木戸さんファンと思われる方の真剣な疑問が飛び交い、興味深い時間でした。
ところで、木戸さんの印象で「一身二生」を挙げる方は未だに多いですね。うーん、何故でしょう。。随分昔の桂さん本で、木戸さんは名前が変わったら中身も変わったように見える、と書いてらした方もいましたが、いまいちぴんときませんでした。桂さんは木戸さんだろうと、私は思うのだけど。
幕末時代、仕送り金を盗まれたのに「ねずみが取っていったんじゃろ」と詮索しなかった人と、明治時代、スパイが作った誹謗中傷の報告書を伊藤たちが読んでいたのを「君等に読まれたくないから」と言って、報告書を暖炉に投げ込んだ人は、いかにも同一人に見えます。行動パターンが、同じというか。だいたい、名前が変わったくらいじゃ人間の性格はそうそう変わらない気もします。私も結婚して姓が変わったけど、残念ながら性格までは変わりませんでした(笑)。姓名運とか、少しは期待したんですけどねえ。
木戸さんは柔軟な思想の持ち主だから、激動の時代の流れの中で、枝葉の主張が変化することもあるでしょうが、しかし大本の思想はブレなかった人だと思うのです。特に天皇一統のもとで体系づけられた、秩序立った国家の建設、という大目標は、実に幕末の頃から変わらない気がします。その最大成果が廃藩置県だと私は思うのですが。ブレていいところと、ブレないところを、きちんと分けられるからこそ、一貫性を持った主張を遂げられたのではないかと思います。
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かゆ
自己紹介:
某WJ雑誌で掲載中の幕末パラレルギャグ漫画にて、黒髪長髪和服の人に転倒し、すっかり深みから抜けられなくなったオタク。そして深沼の底にて木戸さんに出会う。「醒めた炎」はバイブル。あの本で同時に村松氏のファンにもなりました。今は一刻も早く読了したい。
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